いぬかい鍼灸指圧院 #4
【腰痛】
腰痛は運動時(体を動かしたとき)や安静時に腰部に痛みを感じる疾患の総称であり、疾患名というより症状名です。
腰痛の原因としては、
腰椎(腰の骨)・椎間板・椎間関節(腰の関節)・靭帯・筋肉の障害
がありますが、
正確に診断が可能なのは全腰痛の方の半数以下と言われています。
腰痛と首の痛みは人類が2本足で立っていることで宿命的な疾患とも言われています。
◯ 腰痛については、原因として想定されるものは様々ありますが、簡単にまとめてみました。
①
老化によるもの:椎間板ヘルニア・変形性脊椎症・脊柱管狭窄症
②
骨代謝異常によるもの:骨粗しょう症・骨軟化症
③
外傷によるもの:腰椎圧迫骨折・打撲・脊椎分離症・脊椎すべり症
④
炎症によるもの:筋炎・筋膜炎・化膿性脊椎炎・結核性脊椎炎・関節リウマチ
⑤
腫瘍によるもの:骨肉腫・軟部組織肉腫・血管腫
⑥
静力学的要因によるもの:姿勢不良・筋肉疲労
⑦
先天性の要因によるもの:仙椎の腰椎化・腰椎の仙椎化・奇形 腰椎症は
原則として下肢症状を伴わない腰部の痛みということになっています。
急性腰痛症:
痛みは腰部に限らず、殿部(お尻)・大腿後面(太ももの裏)や側面などにも出現することがありますが、原則として脚に痺れの症状が出ません。体を動かすことによって痛みが強くなり、安静にすることで痛みが緩和されます。 急性腰痛症のなかで、ちょっとした体動で急に発症し、場合によっては激痛のため脂汗が出て、歩けなくなるような発作性の腰痛症を俗にいう「ぎっくり腰」といいます。ぎっくり腰の原因は不明でありますが、多くの場合は腰椎の関節内への滑膜がはまりこむことと考えられています。
また、なかには椎間板ヘルニアの始まりのこともあれば、何らかの拍子に生じた筋肉・筋膜・靭帯の微小損傷のこともあります。多くの場合は安静にしていれば2~3日で激しい痛みはなくなります。
安静や鎮痛剤の使用でも緩解しない腰痛、徐々に進行する腰痛、発熱を伴う腰痛などは、内臓疾患・悪性腫瘍・感染症などが疑われます。
慢性腰痛症:原因がはっきりしない、6か月以上続くような慢性腰痛症などは多くのケースで複合的要因が関与していて単純ではありません。
繰り返される微小外傷、精神的ストレスなどが影響しているし、痛みからくる筋肉の緊張状態や、筋肉の長期疲労から血流が悪くなり拘縮を起こしていて、痛みの悪循環から脱しきれない状態となります。
また肥満による腰への過重な負担や背筋や腹筋の未発達状態、不良姿勢などもしばしば関与しています。さらに慢性的な疼痛は、イライラや、抑うつ状態など、心理的要因まで加重され、器質的障害から想像される以上の痛みを訴えることもあります。